PMS|さくらクリニック益田|益田市の心療内科・精神科|浜田市・津和野・吉賀

〒698-0003島根県益田市乙吉町イ102-1

0856-23-0021

WEB予約
桜

PMS

PMS|さくらクリニック益田|益田市の心療内科・精神科|浜田市・津和野・吉賀

PMS(月経前症候群)とは

PMS(Premenstrual Syndrome:月経前症候群)は、月経が始まる前の黄体期(排卵から月経までの期間)に現れる、精神的・身体的な不調の総称です。これらの症状は、月経が始まると自然に軽快するか、消えていくのが特徴です。
厚生労働省の調査では、月経のある女性の約70~80%が何らかの月経前の不調を感じており、そのうち約5%が日常生活に支障をきたすほどの重い症状、つまり「PMS」であるとされています。PMSは決して我慢するべきものではなく、適切な治療やセルフケアで症状を和らげることが可能です。

PMSの原因

PMSの原因はまだ完全には解明されていませんが、以下の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

女性ホルモンの変動

排卵後から月経までの期間(黄体期)に、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが大きく変動することが、脳内の神経伝達物質(セロトニン、GABAなど)のバランスに影響を与え、PMSの症状を引き起こすと考えられています。特にセロトニンは、気分や食欲、睡眠に関わる物質であり、その分泌量の変化が精神症状に影響すると言われています。

体質やストレス

ホルモン変動への感受性の違いや、日頃のストレス、睡眠不足、食生活の乱れ、喫煙、過度の飲酒といった生活習慣も症状を悪化させる要因になると考えられています。真面目な方や、責任感が強い方に症状が出やすい傾向があるという報告もあります。

自律神経の乱れ

ホルモン変動やストレスによって自律神経のバランスが崩れ、心身の様々な不調として現れることもあります。

PMSの検査と診断

PMSの診断には、特定の血液検査や画像検査などがあるわけではありません。症状と月経周期の関連性を確認することが最も重要です。

詳細な問診

患者様から、いつ頃からどのような症状があるか、それが月経周期のどの時期に現れるか、日常生活にどの程度支障が出ているかなどを詳しく伺います。生活習慣やストレス状況も重要な情報となります。

症状記録表(月経ダイアリー)

2〜3周期分の記録をつけていただくことで、症状が現れる時期と月経周期との関連性、症状の種類や強さ、日常生活への影響を客観的に把握でき、診断や治療方針の決定に役立ちます。

鑑別診断

甲状腺機能異常やうつ病、不安障害など、PMSと似た症状を示す他の疾患を除外するために、必要に応じて血液検査や心理検査を行うことがあります。

これらの情報を総合的に判断し、PMSの診断を行います。特に、精神症状が強く、日常生活への影響が大きい場合は、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性も視野に入れて診断します。

PMSの治療法

PMSの治療は、症状の程度や患者様のご希望に合わせて、薬物療法と非薬物療法(セルフケア)を組み合わせて行われます。

非薬物療法(セルフケア・生活習慣の改善)

まずは、日常生活の見直しから始めます。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、そしてストレス管理が重要です。カフェイン、アルコール、糖分、塩分の摂り過ぎを控え、自分に合ったストレス解消法を見つけることも大切です。

薬物療法(症状への対症療法)

セルフケアで症状が改善しない場合や、症状が重く日常生活に支障をきたす場合には、薬物療法を検討します。頭痛や腹痛には鎮痛剤、むくみには利尿剤、体質改善や心身のバランス調整には漢方薬(例:当帰芍薬散、加味逍遙散など)を用います。

薬物療法(ホルモン調整・精神症状へのアプローチ)

月経周期に伴うホルモン変動を抑えるために、低用量ピル(LEP)などで排卵を抑制し、症状の根本的な改善を目指すことがあります。また、イライラや気分の落ち込み、不安が強い場合は、精神科専門医としてSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの抗うつ薬や、抗不安薬をごく少量、短期間で検討し、精神症状を和らげます。

益田市でPMSの専門的なご相談は当院へ

PMSは「気のせい」でも「我慢するもの」でもありません。つらい症状に悩む必要はありません。適切なケアで、月経前の不調は必ず和らぎます。

TOP