てんかんは、脳の神経細胞の過剰な興奮(放電)が原因で、全身のけいれんや意識がぼやけるなどの発作が繰り返し起こる病気です。昔は子供の病気とされていましたが、現在では大人でもてんかんにかかるということがわかっています。また、人口の1%前後(日本では約100万人)がてんかんであるという統計もあり、決して珍しい病気ではありません。
てんかんであらわれる発作は患者様によってさまざまな症状があります。代表的なてんかん発作は以下のようなものです。
・複雑部分発作
複雑部分発作は大人によくみられる発作です。数十秒から数十分意識が薄れ、眼はうつろになります。また、意識が薄れている間に服のボタンをいじったりなど、無意識に行動をしている場合があります。
・全身けいれん発作
全身けいれん発作は子供から大人まで、幅広くみられる症状です。発作が起こると意識を失い倒れ、全身がけいれんし、呼吸困難になります。通常発作は数分で止まり、呼吸も通常に戻ります。
・欠神発作
欠神発作は子供に多く見られる発作です。5~30秒ほどの短い間意識が途切れますが、意識がもどった後は直前までしていた行動をすぐに再開できるのが特徴です。
・当院を含む一般的な診療所には、脳波の検査を行うための設備が無いため、専門的な検査ができる病院と連携して、かかりつけ医として治療しています。
・すでに脳波検査などの検査を行い、診断が確定している患者様は抗てんかん薬といわれる、てんかん発作を抑えるための薬を使用して治療を行っていきます。抗てんかん薬を処方する際は、安全な薬の服用と効果の判断のために、血中濃度の測定(採血)を定期的に行います。
症状が良くなったと思い、患者様の判断で薬を飲むことを止めてしまったために、ふたたび症状が重くなってしまうことが良くあります。飲んでいただく薬の量は患者様の状態を見極めた上で調整していますので、飲む量・回数はお守り下さい。